生涯健康学習研究会設立の経緯

人々の一生は学びの一生です。
学びは何も学校教育だけではありません。
社会へ出れば職場がそのまま学びの場であることが多く、家庭を持ち家族を持てば家族がしばしば学びの対象となります。
退職し新たに趣味やボランティアを始めれば、まさに新たな学習が新たな知識や感情を深めることに役立つことでしょう。

私たちLHLAは、人々のこういう生涯学習を、健康にかかわる知識・スキルの取得、健康リテラシーの獲得を通じて、人々が自らの健康の確立を図る自己学習を支援することを一目的として設立されました。

生涯健康学習研究会 理事長挨拶

私が1977年九州大学医学部を卒業後、免疫学の研究を始めたばかりの頃、初めてお会いした九大生体防御医学研究所の創設者である野本亀久雄生からいきなり、「吉開君、免疫とは何だと思うかね?免疫とはこれなんだよ」と、仏教の曼荼羅の絵を見せさせられました。
「曼荼羅はご本尊様が真ん中にいるが、実は曼荼羅はご本尊だけでなくその周囲を二重三重に諸仏諸尊様が取り巻いて初めて曼荼羅というのだよ。免疫もみんな抗原抗体反応だけと思っているがその周囲を二重三重に生体防御のバリアがあって初めて免疫といえる」と仰ったことを今でもよく覚えています。

免疫とは何かといえば、よく知られたものに麻疹にかかれば二度と麻疹にはからない、つまり免疫の二度なし原理というものがあります。しかしこの二度なし原理は、曼荼羅のご本尊のように、免疫システムの後半の抗原抗体反応の高度な仕組みであって、獲得免疫と呼ばれています。免疫システムはこの「獲得免疫」と、それを取り巻く諸仏諸尊のような「自然免疫」とで全体をなしています。野本先生の独創はこの「自然免疫」を感染早期の細胞内での機能にとどめず、感染前の腸管や気管の粘膜上での生体防御の働きをも免疫と考えて研究を深めたことです。
 免疫についてのこのような考え、特に気管や腸管での暴露段階での生体防御の働きをも「自然免疫」の一つと考え、感染早期の「自然免疫」、感染後期の細胞増殖後の「獲得免疫」と合わせて広義の免疫とするという構想は、1980年代初め野本亀久雄先生が生体防御論において世界で初めて唱えられた画期的な理論でした。
いまでこそ生体防御というと誰しも、当たり前のように唱える術語になりましたが、野本先生が40年前この考えを初めて世に問うた頃には「野本は何もわかっていない、免疫とは高度な抗原認識の特異性なのだ」、「免疫とは抗体遺伝子の発現の多様性が本質だ」などと散々袋叩きにあったそうです。
今やCOVID19の世界的なパンデミックもあって、この生体防御医学理論の「自然免疫」についての考え方が再び注目を集めています。私は野本先生の生体防御医学理論の継承者の一人として、広く一般の市民の方々に生体防御理論の正しい知識と市民生活での有用性についての理解の普及に努めていきたいと思います。

生涯健康学習研究会 理事長
吉開 泰信

生涯健康学習研究会